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すかさずその先端を指で少しきつく摘まんでやれば、彼女の背筋が反応を示した。
絡み続ける舌の隙間から、彼女が艶を纏った声を漏らす。
「誉さ……」
彼女の言葉の続きを聞きたくて、絡めていた舌を緩めると、それまで無抵抗だった白い手が、乳房を掴んでいた手に絡みつきゆっくりと弧を描かせた。
その行動の意味が何なのかなんてすぐに理解する。
もっと……私を求めて欲しいという懇願が、こんな行動を彼女に取らせるのだろう。
「君って人は……」
もしかしたら、盗聴器の電波を受信している我妻は、この流れを阻止したくてこの部屋へ向かっているかもしれない。
けれど……たとえこの部屋に我妻が乗りこんで来ようとも。
俺は彼女を離すものかと心で強く思った。
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