Act.13 Side H

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これは、もはや偶然などではない気がした。 そしてその情報を何故、二宮千波が握っていたのかも気になる。 思わず城田さんに聞こうとした時、俺のポケットでスマホが振動を始めた。 しかしその振動は、まるで連動するかのように城田さんのスマホも鳴り出す。 お互いが液晶に浮かんだ相手を確認して、苦笑いする。 「一斉にお呼びがかかるということは、何か事件が起きたな」 そう呟いて着信を取った城田さんの横で、俺もしぶしぶ着信を取る。 すると電話越しの威圧的な声の主は、冷静な口調で言った。 「ああ、市倉君、すまないが対策室の講習を中断してくれ」 「……何かあったんですか?」 「小野村真理子が政治資金規制法違反疑惑で捜査本部が立つことになった」 いよいよか、と思いながら署長の話を引き続き聞く。 「本家と特捜が組むってことは相当絡んでいる政治家が多いってことだ。準備に人員を回してくれ」 「分かりました」 電話を切ると、城田さんも同時に電話を切って俺を見た。
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