Act.14 Side H

28/34
前へ
/34ページ
次へ
「今から行きます」 「ああ、だけど表玄関から入るなよ」 「…………」 「小野村真理子連行の瞬間を狙ってマスコミが張ってる」 「……分かりました」 電話を切った俺は、急いで自宅に戻りシャワーを浴びる。 おそらく城田さんが拾って来たPC-9821のハードディスクの中には、この一連の事件の答えがあるはずだ。 螻蟻潰堤が誰なのか、楓を死に追い詰めたのが誰なのか。 そして……何故木嶋大吾は、原沢佳奈を消そうとしたのか。 まだ濡れたままの髪で真新しいシャツを羽織り、彼女の手首に結びつけたネクタイを首に引っかけて家を出る。 車に乗りこみエンジンを掛けた瞬間、再び俺のスマホが振動を始めた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

165人が本棚に入れています
本棚に追加