Act.14 Side H

32/34
165人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
やがてたどり着いた県警本部の正面玄関前には、三脚を立てた横に座り込むマスコミたちの姿がいくつも見て取れた。 裏口の方へ車を止めて、急いで署内へと入ればまだ朝も早いというのに署内は警官で溢れかえっている状況だった。 きっと小野村真理子の逮捕状が出るのだろう。 それを横目に、俺は急いで階段を駆け上がりサイバー犯罪対策室のドアを開いた。 俺のデスクに足をのせて寝ている城田さんを叩き起こす。 「城田さん、ブツは?」 「んぁ……? あー、ココ」 寝ぼけながら城田さんは、足元にある段ボール箱を指差した。 急いでその箱を開けると、黒焦げになったハードディスクが入っていた。 コード類も全て焼けて、このままでは当然再生出来る状況ではない。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!