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「あの部屋で行われた行為のほとんどが盗撮なんだ。
だけど楓の動画だけは……盗撮ではなかった」
「…………」
「それは君が教えてくれた通り、楓だけは母親に売られたことで撮影に同意したのかもしれない」
「…………」
「だけど楓の死の真相が分かっても、まだこの一連の出来事の真実は見えていない」
「……はい」
「何が起きても、俺は必ず君を守る。……だけどこの全てが終わったら……」
そう言って誉さんは、悲しく揺れる瞳で深く見つめた。
分かっている。
この人は、22年前の真実を明らかにすることが出来れば、もうこの地に思い残すことなどきっとないのだ。
つまりこの真実の先にあるのは……私と誉さんの終わりでもあるということ。
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