Act.19 Side H

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「……室長……」 もう一度問いかけてきた斉木さんの声で、俺は立ち上がった。 「斉木さん」 「はい」 「我妻を児童ポルノ法違反と、公文書偽造で再逮捕する準備に取り掛かってくれ。それと……」 「それと?」 もう俺に迷いなどなかった。 「我妻荘介と原沢佳奈、それから我妻荘介と恭太のDNA鑑定を行う」 「……えっ?」 驚いて俺を見つめた斉木さんに、やんわりと微笑んで答える。 「我妻の供述が正しいのかどうかを調べるのも、俺達の仕事だろ」 「……そうでした」 たとえその結果がどんな真実を明らかにしようと。 警察官として、けれどひとりの男として……。 全ての真実から目を背けたりしないと心に誓った。
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