Act.19 Side H

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「原沢佳奈は……監禁などされていなかったと、俺に証言したよ」 「…………」 「たとえ血が繋がっていようといまいと……彼女はこれからも我妻を庇うだろう」 「…………」 「我妻や健斗が、彼女の幸せを願う気持ちは痛いくらい分かった。 だけどお前も健斗も間違ってるよ」 俺の言葉に、我妻はゆっくりと振り返り問いかけた。 「どう間違っている?」 格子の窓を見つめながら、俺は呟く。 この男のこれから先の人生が、せめて己の幸せを見つけられる未来であって欲しいと願いながら。 「幸せは人に与えられて手にするものではない。 自分で見つけて掴むものだって……俺の両親は教えてくれたけどな」
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