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警察組織の中で地位を確立していたはずの署長や副署長が犯罪に手を染めてしまった。
城田さんは、自分の思惑が気づかれたら命だって狙われるかもしれないリスクを冒しても、愛した人の無念を何十年もかけて晴らした。
警察官であっても……過ちを犯すこともあれば、感情だってある。
「城田さんが言っていました。
室長は、あなたと出逢ってから感情を表情に出すようになったと」
「…………」
「このDNA鑑定をしようと室長が考えた一番の理由は……」
「…………」
「あなたを大切に思うがゆえの鑑定だったのではないかと私は思います」
その言葉で、一度は治まっていた思いが再び目頭を熱くして涙を溢れさせた。
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