Act.20

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もはや私はこの真実から目を背けることなどしてはいけない。 ここに誉さんの想いの全てが凝縮されているのなら。 私はどんなに傷ついたとしても、受け止める。 そう覚悟を決めて、ゆっくりと封筒から中身を取り出す。 すっかり冷えた指先が思うように動かないけれど、折りたたまれた紙を広げこの目で確かめる。 するとそこに書き記されていた被検者名に驚いて目を見開いた。 『被検者A:我妻荘介 被検者B:我妻恭太』 そしてその下に書かれた鑑定結果は……。 『AとBが生物学的親子である確率は、0%』
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