Act.20

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警察署へ向かう車内、斉木さんは淡々と誉さんのことを話してくれた。 恭ちゃんに監禁されていた三週間、必死に私を探してくれていたこと。 私を襲った犯人が大吾さんだと分かっていても刺激しなかったのは、これ以上私が被害に遭わないよう気遣ってくれていたこと。 そして恭ちゃんを救う方法を、模索してくれたこと。 全ては私を少しでも悲しませないための行動だったと斉木さんは説明した。 誉さんと出会ったあの日から今日までを思い浮かべれば、それは偽りのない彼の優しさであることは明らかだ。 楓さんの死から22年、誉さんだってたくさん苦しみ、迷い、己を責めながら生きて来たというのに。
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