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「誉さん、あなたを愛しています」
隣で同じように手を合わせ祈っていた横顔にそう呟くと、彼は静かに微笑んでそれに応えてくれる。
「想いはいつでも一緒だ」
「うん」
「この子はきっと誰よりも幸せになるよ」
「うん」
「元気に生まれて来いよ」
私のお腹に手を当てて、誉さんが声を掛けたその時、私のお腹の中で初めての感触が蠢いた。
「あ……」
「うん?」
「赤ちゃんが動いた……かも?」
「え?」
「きっと誉さんの声に反応したんだね」
私の言葉に、誉さんは穏やかに微笑んだ。
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