3人が本棚に入れています
本棚に追加
「かしこまりました。お伺いいたします」
私はすっ、とメニューを引っ込める。
こういったことは慣れていた。
この店に来る女性客の大半は、あれを注文することを目的にしているから。
「『虹色の原石』2つお願いしまーす」
「はい、『虹色の原石』2つですね。少々お待ちください。ただいまお冷やをお持ちします」
流れるようにさっと線を2本伝票に書き入れ、私は彼女たちににこりと微笑んでその場を去った。
楽しみだね、きらきらとした無邪気な声が、私の背中をくすぐった。
最初のコメントを投稿しよう!