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「ごゆっくりどうぞ」
私は彼女らにそう声をかけ、にっこりと微笑んでからテーブルを離れた。
「すっごい、写真で見たとおり!」
「ねー! やばーい!」
彼女らのはしゃぐ声が店内に響き渡る。
その言葉に、私は口元が緩むのを抑えることができなかった。
そうでしょう、すごいでしょう。
心の中で、私は自慢気に胸を張った。
テーブルの上で彼女らを魅了している我が子が誇らしくてたまらなかった。
「ほら、早く写真撮ろー」
「だねー。今ちょうど光の当たり具合いい感じだし」
ぱしゃ、ぱしゃ。
しばらく間をおいて、何度かシャッター音が彼女らの手元から私の耳に届く。
きっと今頃、私の子どもはカメラの前で満面の笑みを浮かべていることだろう。
「じゃあ、かえろっか」
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