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その翌日、珍しく澪から昼飯に誘われた。
大学の近くのカフェに行った。
澪はやけに機嫌良く
「明日って何の日だ~」とか聞いて来る。
「ええ?明日?何だっけ?あっ、澪が世界一可愛い日!」とか、言って誤魔化すと、澪は急に機嫌が悪くなって
「え?本気で覚えてないの?」とマジなトーンで問い返す。
「ええええ?何だろ~~?いやちょっと待って?絶対今思い出すから」
「もういい。亮介と私のハーフイヤーじゃん」
「ハーフイヤー?何それ」
「付き合って半年記念日でしょう?もうっ、亮介明日の夜はバイトないって言ってたし、亮介んち行って良い?」
「えっ?明日はえっと、マズイんだ。急にバイトになっちゃって。ホントごめん、明後日にしてもらえないかな?あっ、明後日もバイトだなあ~。明々後日、明々後日なら絶対」ここまで言うと
「もういい。亮介は私の事好きじゃないんだ!私だって、女の子だよ?自分から泊まりに行って良い?なんて恥ずかしい事、物凄い勇気を出して言ったのに」と泣き出してしまった。
えっ?マジか?
「ごめん、ホントにごめん。澪の事は世界一好きだよ。ホントだよ。でも明日はどうしてもバイト出なきゃいけないんだ」と言うと、澪は思い切り椅子の音を立てて立ち上がり、カフェを出て行ってしまった。
クッソー!なんでこうなるんだよ。
昨日、貞治が来るまでは
澪もそんな事、一言も言ってなかったじゃないか。
よりによって、仏さん来る日に、何でハーフイヤー記念日なんだよ。
大体、ハーフイヤー記念日って何だよ。
聞いた事ねーよ。
女はなんでも記念日にしやがる。
いらねーよ。
そんなに記念日ばっか。と、
イライラしながらバイトに行った。
バイトから帰ると
前回同様、ベッドの上に組み布団が一組おいてあった。
2回目ともなると手慣れたもんで、
それも気にせず、ベッドで爆睡した。
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