4

2/10
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/47ページ
その翌日、珍しく澪から昼飯に誘われた。 大学の近くのカフェに行った。 澪はやけに機嫌良く 「明日って何の日だ~」とか聞いて来る。 「ええ?明日?何だっけ?あっ、澪が世界一可愛い日!」とか、言って誤魔化すと、澪は急に機嫌が悪くなって 「え?本気で覚えてないの?」とマジなトーンで問い返す。 「ええええ?何だろ~~?いやちょっと待って?絶対今思い出すから」 「もういい。亮介と私のハーフイヤーじゃん」 「ハーフイヤー?何それ」 「付き合って半年記念日でしょう?もうっ、亮介明日の夜はバイトないって言ってたし、亮介んち行って良い?」 「えっ?明日はえっと、マズイんだ。急にバイトになっちゃって。ホントごめん、明後日にしてもらえないかな?あっ、明後日もバイトだなあ~。明々後日、明々後日なら絶対」ここまで言うと 「もういい。亮介は私の事好きじゃないんだ!私だって、女の子だよ?自分から泊まりに行って良い?なんて恥ずかしい事、物凄い勇気を出して言ったのに」と泣き出してしまった。 えっ?マジか? 「ごめん、ホントにごめん。澪の事は世界一好きだよ。ホントだよ。でも明日はどうしてもバイト出なきゃいけないんだ」と言うと、澪は思い切り椅子の音を立てて立ち上がり、カフェを出て行ってしまった。 クッソー!なんでこうなるんだよ。 昨日、貞治が来るまでは 澪もそんな事、一言も言ってなかったじゃないか。 よりによって、仏さん来る日に、何でハーフイヤー記念日なんだよ。 大体、ハーフイヤー記念日って何だよ。 聞いた事ねーよ。 女はなんでも記念日にしやがる。 いらねーよ。 そんなに記念日ばっか。と、 イライラしながらバイトに行った。 バイトから帰ると 前回同様、ベッドの上に組み布団が一組おいてあった。 2回目ともなると手慣れたもんで、 それも気にせず、ベッドで爆睡した。
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!