いなくても大丈夫、いるから大丈夫。

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風紀委員長 大神章人(オオガミアキト) 生徒会長 樹神彰(コダマアキラ) 同室者 平野友(ヒラノユウ) ―生徒会室―会長side あー、疲れた…。何でこんなに仕事が多いんだ?絶対この学校の教師達仕事してねぇだろ…。まぁ、そんなこと言ったって仕事は減らねぇし寧ろ増えていくばっかだから休んでなんてられねぇが…。 「やっべぇ、眠い…。」 …生徒会の俺以外の役員が仕事をしなくなってから、もう、一週間、か…。 流石に6人分の仕事を一人で回すのはきついな。 しかも、なんだっけか…俺がここにセフレを連れ込んでるだの、そのせいで他の役員は仕事ができねぇだの言われてるみてぇだがなぁ。 んなわけねぇだろーが。 俺にだって…好きな奴ぐらいいる。 彼奴とは割りと仲が良い方だと思っているし、彼奴だって俺のことを嫌ってはいないだろう。 だから、まぁ、この状況に気付いてほしいとか思っちまうときはある。 でも、こんなことで彼奴の手を煩わせる訳にはいかねぇんだよ。 これぐらいの問題は自分で解決しなけりゃ、きっと見捨てられる。 彼奴は実力主義者だからな。 っと。そろそろ飯食わねぇと…。 幸いうちの学校は王道と呼ばれる男子校ではあるがノンケは多い。多いといっても3割程度だが。 それに生徒数が多いから、俺は生徒会長という役職についていても二人部屋だ。 同室者の平野は俺のことを理解してくれているし、ふざけた噂なんて信じちゃいねぇ。 だから、飯を買いに行く時間さえねぇときは、持ってきてもらうようにしてる。 最近ではほとんど持ってきてもらってるから申し訳ねぇ。 落ち着いたら何かお返しをしたいと考えている。 平野には結構助けてもらってるんだ。 すると、唐突に生徒会室の扉が開いた。 「おーい、飯もってきたぞっ…と。わりぃ、邪魔したか?」 「あぁ、ありがと。そこに置いといてくれ。」 「…頑張るのもいいけど、無理はすんなよ。」 「……わかってる。」 平野はそれだけいって、生徒会室から出ていった。 コンビニの袋のなかには、サンドイッチが入っていた。 サンドイッチは片手で食べられるし、手が汚れなくて仕事をしながらでもできるから好きだ。 平野はそういうことも考えて買ってきてくれたのだろう。 あぁ、やっぱりいい奴だなぁとなんだか目の奥が熱くなってしまった。
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