3人が本棚に入れています
本棚に追加
言い合いの日が続き
彼女も私も嫌気がさしていたのかもしれない。
彼女は産みたい。
でも壁を超えられるか…。
私は産んで欲しい。
でも逃げて欲しくない…。
その狭間で揺れ動いていた。
そんな時2人で話をした。
勿論,未来のこと。
産んだ後。
産むまでにしたいこと。
不安なこと。
向き合いたいこと。
赤ちゃんを守りたいこと。
たくさんのことを話した。
お互いに涙ながらに話した。
彼女は中途半端に
揺れ動いていたわけではなかった。
リスクを背負った上の出産になるかも知れない。
その恐怖に怯えていただけだった。
死と隣り合わせになる可能性もある。
でも
赤ちゃんは守りたい。
それが彼女の一点の曇りもない答えだった。
そんな話をしていて
彼女はこう言っていた。
彼女:嘘でもいい。
嘘でもいいから
後のことはパパに任せて。
元気に育てるから…。
そう言って欲しかった。
私は
近くにいて遠い存在だったのだと
その時気がついた。
笑琉:ごめん。
何もわかっていなかったのは俺の方だった。
でも
嘘はつけない。
母子ともに元気で3人で散歩するんだ。
久しぶりに
本音と本音で向き合って
『赤ちゃんを守りたい。』
その一心で2人で答えを出した。
最初のコメントを投稿しよう!