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交わる彩り
両手を前に出し、浮かれる俺達に水を差したのは、冬馬だった。
「どうした? 冬馬」
「いやお前ら、【バンマス】見たんなら、分かるだろ?」
困惑した表情で、俺達を見る冬馬。
「何が?」
「おい、おいおい、マジかよ」
「マジだよ、何だよ」
被せるように言った俺は、冬馬の声を遮った。
「もう一人メンバーに入れろ、そいつと一緒じゃないと、俺はお前らとは一緒に出来ない」
「そっか、バックギターがいたんだよね?」
夏輝が、思い出したように口を開く。
「あ、忘れてた、悪りぃ」
「忘れてたのかよ!」
冬馬が目を見開いた瞬間に、チャイムが青空に響く――――
「じゃあ放課後、食堂に集合でどうだろう?」
夏輝の一言に同意した俺達は、慌てて教室へ向かった――――
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