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消えた君と僕
「うっ、う~~」
太陽の光が僕の顔を突き刺す。
僕はその眩しさに思わず目を開けようとするが、上手くいかない。眠すぎた。
昨日のことのせいで昨晩は上手く眠ることが出来なかったのだ。
ゆっくりとベッドから体を起こし、ふらふらとした足つきで洗面台の鏡の前に向かった。
「酷い...」
鏡には落ち武者を思わすような自分が立っていた。
目の下にはべっとりと黒いクマができ、髪は様々な方向に向かって立っており、昨日までなかったニキビがあちこちに見られた。
僕はそれらを全て洗い直すような勢いで顔を洗う。
そして、昨日の場所に行くことにした。
昨日の女の子が真梨かどうか確かめることに決めたのだ。
家の扉を開ける。
外は昨日と比べ、少し天気が悪く肌寒い。
人出が少なく、気分がのらない。
雨が降る様子はないが、この少し暗いところから離れたくて、僕は少し足早に昨日の本屋に向かった。
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