「強さ」の連鎖

1/3
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ

「強さ」の連鎖

私たちは、5人のコミュニティーの中で毎日を生きている。 私、ありさ。 「クール」と言えば聞こえは格好良いかもしれないが、単に「どうでもいい」。 これから生きていくのに、4人とのつながりは全く不要な気がする。むしろ、足手まとい以外の何ものでもない。 ただ、今はどこかのコミュニティーに属している方が無難だ。 かおる。 「強い」、とにかく強すぎて、ある意味彼女も一人で生きていく方が良いだろう。 4人の悩みや弱さは、いつも彼女の一声でかき消されてしまう。しかし、彼女の存在がなければ、このコミュニティーも形成されなかっただろう。 さな。 「弱い」…それとも、わざとにその存在を薄く小さく装っているのだろうか。 5人の話し合いの中で、彼女の意思は無言の頷きのみで表示される。真意は誰も知らないと思う。 ゆい。 「暗い」彼女はいつも何かしら悩み、傷つき、苦しみ、それは解決することがないように感じる。 実際、「答え」が出ても、彼女自身は「イエス」とは言わないだろう。 まりあ。 「明るい」。5人の中では最も一般的なタイプかもしれない。 難しい4人を相手に、なるべく普通のコミュニティーで在り続けようと日々頑張っている。     
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!