第一話

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第一話

 今日で何日目だろうか?  ヒト族の村に程近い丘の上の切り株で私は暮れゆく空を仰ぎ見た。  私は、私達は人間とは違う時間間隔を生きているが、正しければ今日で一週間だろうか?  太陽が山間に沈んで間も無く月が昇ってくるだろう。  私が一人であの人間を待って帰路に着いたのは何回目だ?  ヒト族の一週間はひとつのサイクルとしてどのぐらいの長さなんだろう?  確かに、私たちの間でも一週間は月の満ち欠けの中にある一つの単位として存在する。私の感覚からすれば本当に短い時間だけども。  でも、今回ほどこの一週間が長く感じた事は無い。私はそれだけの期間を律儀に待っていたという事になる。 (やっぱり、私が間違っていたのだろうか?)  落ちてゆく太陽とともに私の心にも影が差す。 「そうか、そうだよな……ヒト族の言葉など少しでも真に受けた私が馬鹿だったのだ……」  自嘲気味にひとりごちる。  いや、そもそも人間に興味など持った私が悪いのか。  彼との出会いを思い出す。  それは、私が興味本位でヒト族の村に赴いた時の話だ。  ヒト族と私達エルフは余り仲が良いとは言えない。     
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