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サングラスを掛け、黒いスーツに身を包んだ男が玄関に佇んでいた。
「何だよ、まだ寝てたのかよ。」
「なんだ、お前かよ」
八巻大悟皆、八って呼んでいる。昔から世話になっている人である。
「起きろ、仕事だ。」
「仕事って何だよ、さっきから。
それにあの女の子、誰だよ。」
そう言うと、八巻は、ハーッとため息を吐き、
首を左右に揺らした。
「お前、マジかよ。昨日の事忘れたのか」
「昨日の事?」
「昨日は確かハチの所に行って、俺の仕事の依頼をしたと思うけど。」
「その後だよ。」
「その後?何かあったっけ。」
再び八巻はため息を吐き、首を左右に揺らした。
「お前の依頼を受ける代わりにあの子の面倒を見てくれ、て言ったんだけど。覚えてないのか。」
………そうだった。
確かそんな話をしていた様な気がする。
「すまん。忘れてた。」
三度、八巻はため息を吐いた。
「まぁいいや、とりあえずあの子お願い。5日ぐらいかな。」
そう言うと八巻は事務所を出て行った。
「ちょっと、八、待てって。なぁあの子誰だよ。」
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