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「この本何?」
少女が手に取ったその本は風磨にとって大事な本だった。
その本は『王ドロボウジン』というマンガである。
このマンガは彼が子どもの頃にあったファンタジーもので、セリフ回しが良く、
彼にとって『バイブル』の様なモノである。
「お前にはまだこの良さが分からない」と少女から
その本を取り返す。
ムスッとする少女。
「で、お前は何だ」
無視をする少女。
子どもが苦手な風磨はこういう時の対処方法を持ち合わせていない。
(困ったなぁ、誰か助けて。)
少女と風磨の間には沈黙だけが過ぎていった。
しばらくすると風磨はふと思い出す。
以前の依頼があった時に○○がした事を思い出す。
「ごめん、俺が悪かった。」
少し表情が緩くなる少女。
「どこか行きたい所ある?」
表情が緩み次第に満面の笑みになる少女。
「遊園地に行きたい」
風磨は財布を確認し、短くため息をつく。
「分かった行くか。」
こうして風磨と少女は遊園地に向かった。
しかし、この時の風磨は知らなかった。
これから起きる風磨にとっては長い地獄の様な時間が、そして少女にとっては人生が変わる出来事が
起きる事を。
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