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遊園地、西口にて
風磨と少女はこの街にある遊園地《》に向かう為に事務所の下にあるバス停で待っていた。
「久しぶりだなぁ、あそこ行くの」
ボソッと話す風磨。
「へぇ、行った事有るの」
「まぁ、学生の時に行ってたなぁ」
「へぇ、そうなんだ。私、初めてだからワクワクする」
「えっ、お前行った事無いの?」
「……………、うん」
少女は俯きながら、寂しい声で言う。
(あっ、ヤバい。)
「お父さんとお母さんはいつも忙しいから行った事が無いから」
少女は更に深く俯くが、
「けど今日は風磨が連れてってくれるからうれしい」
と、雲かかった表情から、次第に晴れやかになっていく
「………そうか、んじゃ、今日は楽しむか」
「うん」
そう話していると、遊園地行きのバスがバス停に入って来た。
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