遊園地、西口にて

1/3
前へ
/15ページ
次へ

遊園地、西口にて

風磨と少女はこの街にある遊園地《》に向かう為に事務所の下にあるバス停で待っていた。 「久しぶりだなぁ、あそこ行くの」 ボソッと話す風磨。 「へぇ、行った事有るの」 「まぁ、学生の時に行ってたなぁ」 「へぇ、そうなんだ。私、初めてだからワクワクする」 「えっ、お前行った事無いの?」 「……………、うん」 少女は(うつむ)きながら、寂しい声で言う。 (あっ、ヤバい。) 「お父さんとお母さんはいつも忙しいから行った事が無いから」 少女は更に深く俯くが、 「けど今日は風磨が連れてってくれるからうれしい」 と、雲かかった表情から、次第に晴れやかになっていく 「………そうか、んじゃ、今日は楽しむか」 「うん」 そう話していると、遊園地行きのバスがバス停に入って来た。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加