暑い陽

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目的地をタクシーの運転手さんに聞いたら少し離れた所にあるらしい。 もう一度連絡してみる。 … … …。 一向に出ない。 LINEも見てない。 「近くで何か事件があったの?」 突然タクシーの運転手から話を振られた。 「そうみたいですね。今日ニュースであってましたよ。強盗?みたいですね。」 「へー、そうですか。しかし珍しいですね。ここら辺は長閑な場所だからね。」 確かに。 駅の近くはそれなりに街っぽかったが、 目的地に向かって行くに従って、田んぼ、でこぼこ道が増えていく。 「あっ、着いたよ。あそこの家だね。」 そう言うと目の前には築50年ぐらいは建っているだろうか、少し古い二階建ての家。 「あっ、後これ、タクシーの連絡先。帰れる時もお願いしますよ。」 そう言い残しタクシーは明るい街の方に向かって行った。 「よし、頑張るか」 ―ピンポーン、ピンポーン。 私はその家のインターホンを押した。
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