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プロローグ
夜明け前の街道には雨が降っていた。
そこに居るのは行き倒れた白髪赤目の少年と喫茶店のマスターだった。
マスターは暫く少年を観察し身体に虐待の跡があるのに気がついた。
少年の持ち物の中には少年の身分を証明する物がなく変わりに
黒いレインコートと血のついたバタフライエッジがあった。
マスターは暫く迷ったものの行き倒れの少年を自身の店へ連れ帰った。
少年は目覚めると宵闇 黒兎と名乗った。
どうやら孤児らしく隙あらばこちらを狩ろうとする獣の目をしていた。
マスターはあえて何も聞かず変わりにこう言った。
「君が何をするのか、それは君が決める事だ
私は君のする事に口を挟む積もりもないし
ましてや警察にぶちこむ何て、もってのほかだよ」
少年は「訳がわからない」と一つ言い出て行こうとした
しかしそこで腹の虫が鳴いて少年が腹減りである事を伝える。
マスターは少年の持ち物に腐った食べ物がある事を思い出しこう言った
「よかったら何か食べて行かないか?」
と少年は金は無いと言い出て行こうとしたが
マスターの子供から金とるほどウチは貧乏じゃ無いと言う言葉に足を止めた。
これがクロトとマスター、(酒蒔 黄昏)《さかまきたそがれ》の出逢いである。
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