【美青年マスターと】

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じりじりと照りつける太陽から目を逸らし、とぼとぼと歩いていく。 「あっつい……」 暑い中わざわざ外に出てる自分が悪いと言われれば何も言い返せない。家にいても落ち着かないから居心地のいい空間を探して外に出てきたものの。 高校3年生の行動範囲なんてたかが知れてる。車は持ってないし自転車は鍵を失くしてしまっているから使えない。でも、電車で知らないところまで行くのは心もとない。 だから歩ける範囲でどこか落ち着ける場所はないか探索中。 でもこうして歩いていると、今まで気づかなかった細い道があったりちょっとした公園があったり意外と面白い。 「こっちに行ってみようかな」 日曜日の夕方、活気のある商店街を抜けたところにあった道を進んでいく。パステルカラーの可愛らしい家がいくつかあって、更にその先に行くと。 「カフェ?」 小さな一軒家の前で足を止める。アンティーク調の扉には確かに「OPEN」と書かれたプレートがあるけど、どんなお店なんだろう?
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