第8話 ミズ・ピューマ

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ピューマとの電話が終わったすぐ後に、安原さんが遅くやって来た。 彼は席に座ると、まず私に謝った。 どうやら、安原さんは事前に知ってたらしく、わざと遅れてやって来たのだ。 私と2人っきりで話がしたいと、ミズ・ピューマたっての願いを実現させたかったらしい。 遅れた理由に納得した私は小切手の入った封筒を渡すと、電話の件について話した。 安原さんはミズ・ピューマの素性については何も言わなかった。 だけど今後、私とピューマが仲良くなるのは良い事だと言い、次の接触を待つ事にした。 ミズ・ピューマとの繋がりを強くすれば、裏社会の間で噂になる。 そうなれば経済制裁は解決し、事業の信用と畏怖を一気に回復する事ができる。 そう安原さんは考えたのだ。 確かに最強の殺し屋の信用を得れば、事業は再び、活気づくだろう。 ただ、私はあんまり乗り気ではなかった。 事業が回復するのは勿論のこと、ミズ・ピューマと仲良くするのは私の望むところではないからだ。 ただ灰谷に復讐したい…… 私の願いはそれだけなのに、それが少しづつ、遠ざかって行っている気がしてならなかった。
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