第14話 情炎

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現に私も疑っていた。 あんなに激しくセックスしたのは本当に久しぶりで、さっきまで眠っていた影響もあってか夢か現実か区別がつけられないでいた。 だけど、夫の一言ですぐに覆った。 「久しぶりに君の甘い声を聞いて、それが脳裏に焼きついてしまって全然、眠れなかったよ」 夫はちゃんと、覚えていた。 相変わらず、バカなことを口にする夫ではあるが、それでも私はそんな夫が大好きだ。 「んもう。バカなことを言ってないで朝ごはん食べに行きましょう」 「そうだな」 夫は首を縦に頷くと、ベッドから立ち上がった。 それから私達は軽くシャワー浴びて汗を流し、着替えを済ますと、遅い朝食にでかけた。 でもその前に実家に電話をかけた。 電話に出たお母さんは私達に挨拶すると、すぐに望歌を出してくれた。 娘は今日も元気いっぱいで安心した。 「ママ!ママ!望歌ね。昨日、泣かずに寝れたよ。お姉ちゃんとばぁばがいたから泣かなかったよ」 娘は昨夜、私がいなくても寝れた事を自慢げに話した。 少し寂しい気もしたが、成長していると感じて素直に喜んだ。 「そっかぁ、偉いねぇ。今日のお昼帰るから、それからいっぱい遊ぼうね」 「うんっ!でも今日もお姉ちゃんと遊ぶから、お姉ちゃんと一緒に遊ぼうね」 「う、うん。分かった。それじゃあ、バイバイ」 「バイバーイ」 そう言うと、望歌は電話をお母さんに渡した。 私はすぐに深美さんについて尋ねた。
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