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毎回、ある夢を見る。
いつも、いつも同じ夢だ。
その夢というのはひたすらに走っているだけ。
何もなく、真っ暗な一本道を……
でも私は只、闇雲に走っている訳ではない。
ある男を追っているのだ。
真っ暗な道の先にいる悪魔のような男を……
しかもその男はスーツを着ていて常に私に背を向けていた。
私はこの男にただならぬ憎悪を抱いている。
――殺してやる。
只、その憎しみだけを背負いその男を追った。
ところが、あと1歩ってところで、男が振り向き拳銃を構えた。
そして、容赦なく私に向かって発砲した。
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