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目を伏せて祈ったわ
どうかどうか 幸せを
彷徨う背中の小ささに
不完全な愛の欠片が
私を作り出したならば
それでも良いから
愛してたと嘘でも言ってよ
どんな想いで痛みに耐えたの
言ってくれなきゃ判らないわ
壊れそうな表情を
未だ私に向けないで
何かを手離す事の恐さを
今になって知ったけれど
貴女もきっと同じ?
その答えを何時聞けるの?
不確かな現実が引き裂いて
零れ落ちた繋がれた雫
寂しさなんて伝えられない
貴女にだけは伝えられない
だって今此処で伝えたら
貴女の抱え込んだその痛みが
ずっと報われないまま
終わってしまう気がしてる
だからどうか笑っていて
私なら大丈夫だから
貴女の血は今確かな熱を帯びて
私を流れ生かしているから
─異国の母へ
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