0人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
「今日唐揚げ作ってくれたの?美味しそう。いつもありがとう」
「今日は美味しくできたよ。いつもお母さんは仕事してくれてるから私がこれくらいやんないと」
(私受験生なんだけど。夕飯くらい仕事あってもつくれないの?)
「学級委員を佐藤さん、あなたにお願いしてもいいですか?」
「私に務まるかわかりませんが、それでも良ければやります」
(もっと他に適任いるだろ。なんで私なんだよ)
「美香ちゃん、部活やめちゃったんだよね?私たちこの後あるから、掃除当番変わってもらってもいい?」
「私は部活ないしいいよ。頑張ってね」
(部活は受験のためにもう引退したんだよ。自分の仕事くらい自分でやれよ)
「学級委員、ノートを準備室に運んでもらえますか。いつも申し訳ないね」
「わかりました」
(いつも学級委員だからっていいように使いやがって。本当は申し訳ないなんて思ってもいないくせに)
「高校最後の夏休みだしクラスみんなで遊園地に行くことになったんだけど、もちろん美香ちゃんも行くよね?そこでさ、幹事やってもらえない?」
「いいよ。楽しみだね」
(お前ら今年受験生だっていうのわかってんのかよ。しかもなんで私が行くの前提なんだよ。面倒事まで押し付けやがって)
「遊園地に行くの?別にいいけど成績大丈夫?一学期少し落ちてたじゃない」
「遊ぶのは一日だけだし他はしっかり勉強するから大丈夫」
(あんたに家の事手伝わされてた所為で勉強時間が減ったんだよ)
「後期の学級委員も佐藤さんにお願いしたいと思います。そしていきなりで申し訳ないのですが、この仕事をやっておいてください」
「わかりました。締め切りはいつですか?」
(拒否権なしで後期もパシられんのかよ。最悪)
「美香、何よこのテストは。こんなんじゃ志望校受からないわよ。ちゃんと努力してるの?」
「ごめんなさい。今回は調子悪くて。次は絶対点数取るから安心して」
(担任にパシられる量は増えたし、それにクラスメイトは便乗するし、家ではあんたがいない日が増えた所為でどんどん勉強時間が減ってんだよ)
(もう、面倒だな。イジメみたいに散々パシられて、見返りなんて勿論ない。挙句の果てには屋上でぼっち飯してる。家に居ても居場所なんて無い。なんで生きてんだろ)
「あの大空に翼を広げ、飛んでいきたいよ」
(なんちゃってね)
最初のコメントを投稿しよう!