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名残惜しいが、仕方ない。ちょっとお店の奥へ目を向ければ、大きなガラスの向こうには、別の服が棚やハンガーにかかって並んでいるのが見える。さながら、お姉さん専用のウォークインクローゼットだ。同じ形の服の色違いとか、雰囲気の似たニットなんてのも豊富にある――お店なので、当然なのだけれど。
その中から選んだり、違う色がいいかも、なんて考えるのが、時々栞里のやる一人遊びだ。
「その恰好なら、パンツもいけるよね。いっそイケメンコーデとか、どう?」
妄想した友人枠に、自分をちょこっと滑り込ませてから、栞里は急いで駆け出した。
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