第一部 序章「火星再開発計画」

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第一部 序章「火星再開発計画」

2035年、地球環境は劣悪を極めていた、化学物質による大気汚染、天候不順、温暖化、海水温の上昇と綻びだらけの環境が広がっていた。 60年以上前から、賢名な科学者から環境問題が取沙汰された、国際会議でルールは作られはしたが、問題は依然として解決はされなかった。 もちろん国家間で環境問題が真剣に議論されはするのだが、大国同士のエゴが結果議論を長引かせ結果改善には至らなかった。 問題を解決する答えは、実は簡単で、それは素人にも解る、考え方を人間本位のエゴに満ちた考えから、地球視点に考え方をシフトさせるだけの事だったが、国同士になるとそれがわからなくなり、永久機関の様に課題だけが回るシステムとなる。 現状の先伸ばしにした結果、オゾン層の破壊による紫外線量の増加や海水温上昇とに伴う海抜が低い島の地図からの消滅や、環境破壊による都市の壊滅という深刻な惨事を招いた事により、ようやく国家間で物事の重大さに気ずき、ペナルティを伴う環境対策を第一案とし進めていく『国際環境保護対策法』が施工された。 それと伴に『火星再開発計画』が進められた。 『火星再開発計画』とは人類が地球を離れ、環境破壊の基となる人類を少なくし、地球をもとの生態系に戻す計画、また増えすぎた人類には、火星を地球化させ移住させる事で環境に配慮した第二の地球を造り上げる計画であり、それは別名『新天地開発プロジェクト』と言われる第二の地球構築を行う計画である。 現在の科学力でも十分に対応可能な計画であり、二つの改革を国際的に進めていき、この難題を乗り切ろうとする案だった。 そして、それから30数年経って各環境対策が効いて、地球環境の悪化速度を弱めはしたが、地球再生という問題根本的な解決にはならなかった。 世界各国では環境悪化に伴う暴動、テロが起こり、世界情勢は混沌と化した。 地球が徐々に崩壊する時が迫ってきていた、このままでいくと人類を含め、既存生態系に悪影響を及ぼし、地球は死滅する。 やはり地球を再度、蘇らせるためには、増えすぎた人口を振り分けて、別の場所に移す事が必要であり、それにはどうしても、この火星再開発計画が必要だった。 2070年、火星再開発計画を遂行する学園を舞台に宇宙と地上を巡る大きな闘いが起きる、その舞台は、東日本にある新潟県の佐渡島。
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