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周りには声の主は居なかった。
なんとなく懐かしいようなそんな不思議な感覚になりながらも授業を受けた。
午前の授業が終わり、ソラは口を押さえながら大きく欠伸をした。
声はあれから聞こえなくなったが、あの声は何だったんだろう?
不思議に思いながら、シンと購買で買ったパンを屋上で食べた。
いつの次代も、購買のパンといったら焼きそばパンというくらい、創業数百年の歴史を刻んだ
焼きそばパンを頬張りながら、ふと先程の声の話をした。
『宇宙概論の授業の時、誰か、僕を呼ばなかった?』
真面目な表情で聴くソラを見て、シンは笑いながら、誰かに惚れてるんじゃない?
授業中は至って静かだったよと、からかいながらも、もしそれが本当なら、誰かの心の声が響いたんじゃない?と付け加えた。
『ソラ・・・シン・・・・』
シンと世間話をしながら寝転がり空を見上げていると、 そこへ、多田野俊英(ただのしゅんえい)がやってきた。
俊英は、ソラと同じく東京から学園に入学をした事から、何となく仲が良くなった。
シンは俊英を見るなり怪訝そうな表情をする。
俊英の真面目すぎる雰囲気がシンにはあまり合わない様だ。
シンは社交的な性格だが、俊英だけは別格の様だった。
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