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台風の夜
強烈な台風に煽られた雨風が激しく雨戸を叩く夜
淡瀬 鏡子は風呂からあがり火照った身体を冷まさないように薄いピンクの水玉があるパジャマを身に着けた状態で暖房が効いている部屋の中で炬燵に入り、その濡れた長く美しい黒髪をドライヤーで渇かしていた
紫色の台座に少し面長のステンレスで支えられている鏡を見ながら自身の長い黒髪をドライヤーの風に踊らせブラシでとかしていると強烈な雨風が激しく雨戸を叩く
ババッバン!
ビクッと肩をすぼませるも何もなかったかのように髪を乾かし続ける淡瀬 鏡子【アワセキョウコ】
ブォーオォォ…
ドライヤーの音で背中の方でけたたましく雨戸を叩く雨風の音を掻き消すかのように必死に髪をとかしながら渇かしているとフと違和感を感じる
雨戸を叩く雨風の音に混じって何かノックをされているような
コン、ココン
という音が聞こえる
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