9.

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依田とも木下とも違う、全身が熔けるような甘く熟しきった果実のような口づけに、電流が走るような軽いしびれと高まる鼓動が、理性を押しのけようとしていた。 雅の唇があずみの顎からゆっくりとのどを横切り鎖骨にたどり着いた。 「あっ・・・・雅さん・・・・もうダメです。キスだけ・・・今日はキスだけです。」 「もっと下までは・・・ダメ?」 「だめです。」 それでも雅の舌はあずみの胸に降りて来た。胸が破裂しそうなほどの激しい鼓動と湧き上がってくる欲望が、本当はもっともっととあずみを駆り立てていた。雅の体の熱く硬く膨れ上がっているものをあずみの体に押し当てられ、さらに欲情した。 (きっと自分のも、をそれと同じように大きくなっている・・・静まれ・・・)そう思えば思うほど体の熱は上がり、自分の熱で自分自身が燃えてなくなりそうなほどだった。 「本当に、だめです。キスだけ。」 「わかった・・・じゃあ・・・・」 雅はあずみの髪を何度も撫でるとまた、唇をゆっくりと重ね、抱きしめた。その二度目のキスは一度目のそれとはまた少し違い、強く、激しく、細かな吐息を吐きながら・・・ 雅の固く大きく膨れ上がったものをあずみの大きくなったものに押し当て、腰を少しうねらせながら、長い、長い口づけは続いて、ゆっくり心地よく二人の眠りを誘った。 雅の胸の中は、何か特別な男の匂いがした。少し冷めたお砂糖いっぱいのホットミルクのような香り。上質なウールにでも包まれているようなふんわりと落ち着いて、とても安心して眠れた。 雅もまた、頬に触れるあずみの柔らかい髪と、自分の腕の長さにピッタリと納まる細く薄い体と丸いヒップの感触がたまらく気持ちよかった。
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