10.

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だから 「もう帰れよ。おせっかいだっつーの、めんどくせー。」 と、頭が痛いにもかかわらず、つい怒鳴ってしまった。大声をあげて貧血でクラッとしてベッドに倒れこみ・・・・気絶した。 ふと目が覚めてスマフォを見ると2時だった。もう起きなければ買い物に行けない・・・と思い、頭を押さえながらよろよろと起きた。 「大丈夫、起きるの。」 すぐさま雅があずみの体を支えた。 「なんでいるの・・・・」 ここにこいつがいたら買い物に行けない。 買い物に行きたいと言えばどこへ行くの何を買うのと聞かれる。 サンドイッチの材料とおやつと言えば、どこへ行くの、誰と行くのと聞かれる。 (やばいめんどくさい・・・・) 「おかゆ食べる?お腹すいていない?」 「僕、トイレに行くんです。ほおっておいてください。」 「ついて行こうか。」 「一人でいけます。僕がトイレから帰ってくる前に帰ってくださいね。」 そう言い残してトイレに行ったが、帰って来てもまだ雅はあずみの部屋にぼおっと立っていた。 「大丈夫?また寝る?」 「・・・・」 あずみは無視した。こいつに返事をするから調子に乗って帰らないんだ。無視すればそのうち帰るはずだと作戦を変更した。 「着替えるの?頭痛いの治った?今日は何を着るの?手伝おうか?勉強する?できる?散歩する?本屋にでも行こうか。」 「あーうるさい!もー!」 あすみは着ていたスエットを投げつけ着替えのシャツをわしづかみにすると階段を駆け下りた。 「鈴木さん・・・・今日さ・・・・」 あずみは鈴木のところへ逃げ込んだ。 「買い物なら僕が一緒に行くよ。心配だし・・・・あ、鈴木さん、晩御飯の買い物も一緒にしてきますよ。」 雅は買い物の袋を腕にかけ、あずみの羽織ったままのシャツのボタンを閉めた。 「寝ぐせひどいな・・・髪も梳かさなと・・・」 「もーうるさい。帰れ!」 あずみはとうとう爆発した。 ただでさえデカくてうっとうしいと思っていたうえに、何から何まで自分を支配しようとしているように思えて、しかもさもいい人ぶった感じがさらに鼻についた。
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