10.

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あずみの作った見た目があまり綺麗ではないサンドイッチを二人で食べ、遊園地へ向かい散々楽しんだ。これ以上の喜びはないというほど楽しんだ。クニを散々引っ張りまわし、クニがついて行けなくなると今度は一人で走り回った。これ以上ないほど笑った。 けれど楽しい日はいつもより早く陽が落ちる。 「あずみ君、帰ろうか。」 「うん・・・」 「今日はもう終わりだから・・・また来ようね。」 「もういい。」 「また来ようよ。遊園地はここだけじゃないし、いっぱいあるんだよ。」 「もういいです。本当に・・・どんなところかわかったし。」 「そう・・・・じゃあ、晩御飯食べに行こう。」 「はい・・・・」 あずみはこの寂しさがたまらく嫌だった。どんな楽しいことも必ず終わりが来るという寂しさが。そして、あるかどうかわからない「次」とか「また」という話も嫌いだった。 それならここで終わりと言われたほうがよほど清々する。今日は十分楽しめた。もうそれだけでよかった。(でも・・・本当に楽しかった・・・・)そんな風に今日のことを思い出していると、そのまま帰りの車の中で眠ってしまった。 起きた時はベッドの上だった。 「ああ、起きた・・・ルームサービスでも頼もうか。お腹すいただろ。」 クニはちょうど、シャワーから上がってきたところだった。 「ここ、どこですか?」 「遊園地のそばのホテルだよ。今日はお家の人がいないから泊っていけるんだろ。」 「泊まるなんて言ってないです。」 「でも、僕も運転疲れたし・・・明日ゆっくり帰ろうよ。 君もシャワー浴びてきたら。」 「いいですけど・・・だったらベッドはツインがよかったです・・・僕とても寝相が悪いし・・・だから寝る時は僕はソファーで寝ますから・・・・」 「あずみ君・・・かわいいね。 わかったよ。好きにしていいから・・・シャワー浴びてきなさい。」
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