10.

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あずみは嫌な予感しかしなかった。けれど、ここが何処かもよくわからないし、助けを呼びたくても自分が保有しているヒーローのカードはお兄様か・・・雅・・・雅は昨日、散々いたぶってたぶんへこんだままだろし・・・ お兄様自体どこにいるかさっぱり・・・ 山波さんにお願いしてみる・・・だめだ。あのカードは愛の魔法にかかってお休み中。 鶴屋・・・は無理。考えるだけ無駄だった。まだ鈴木さんのほうがまし。 どうしよう・・・やばい・・・このままでは何されるかわからない・・・とにかく初めてだけはちゃんと守らないと。 とりあえず、メールだけでも・・・と思ったが、バッグは車の中に置いてきたみたいだった。まあいい。僕も男の子だ、いざとなったらぶんなぐってでもここから脱出しよう。クニさんは強そうだけど・・・僕のほうが若いし、喧嘩をしたことはないけれど・・・テレビで見たことはあるし・・・大丈夫。 そう何度も自分に言い聞かせて、とりあえずシャワーを浴びた。シャワールームから出ると、信じられないほどの料理やケーキがテーブルに置くことができないほど並んでいた。 「え・・・」 「君が何を食べたいか聞いてなかったから適当に頼んでしまったけど・・・よかったかな。」 「え・・ええ・・・」 「じゃあ、ここへ来て乾杯しよう。君はレモンスカッシュでいいかな?」 「あ・・・ありがとうございます。 僕はこんなにしてもらっていいのでしょうか・・・」 「いいんだよ。ホンのお礼のつもり。 本当はもっといいレストランをと思ったんだけれど・・・今日の服装では入れないしね。 ここのほうが気兼ねなくゆっくりできる。僕もワインを飲めるし。」 「僕はいっぱいご飯を食べますけど、こんなには食べられません・・・残してしまうかもしれないけれど、いいですか?」 「いいよ。好きにしなさい。」 「クニさんはとても優しい。大好きです。でもエッチはしませんよ。」 「・・・・わ・・わかっているよ。君ともっと話をしたくてね。それだけだよ。」
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