10.

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「そうですか。いいですよ。お話ならどれだけでも。お友達ですから。」 「・・あ、友達・・・」 「僕、友達、いないんです。学校も行ってなくて・・・ この間、お友達になってあげるねって言ってくれた人がいたんですけど・・・いろいろあって・・・連絡くれなくなりました。 クニさんは友達いますか?僕、意外で。」 「いるよ。けど、あまり連絡は取ってないけどね。」 「いいな・・・お友達がいると毎日が楽しいんでしょ。 お話ししたり、映画見たり、図書館行ったり・・・大人は、お酒飲んだり。ですか?」 「そうだね・・・でも、友達よりもっと素敵な関係があるよ。」 「なんですか?」 「恋人。」 「コイビト・・・」 「そう。あずみ君・・・僕の恋人になってよ。 恋人は友達よりもっと、もっと楽しいよ。」 「楽し・・・い・・・・」 「うん。とても。」 「あの、その・・・恋人になると言う事は・・・ 今日のように待ち合わせをして・・・遊園地に行ったリ・・・ とかでしょうか・・・」 「もうちょっとかな・・・」 「では、夜ごはんを一緒に食べるとか・・・」 「もうちょっと・・・」 「このようにホテルに泊まり・・・」 「うん。」 「お酒を飲み・・・」 「うん、うん。」 「キスをして・・・」 「うん、うん、うん。」 「押し倒されて・・・」 「うん、うん、うん、うん。」 「やっちゃう!なんてこともあって・・・」 「うん、うん、うん、うん、うん。」 「それが定期的に繰り返される、間柄の事で・・・しょうか・・・」 「う・・・ん・・・・ まあでも・・・ そう物理的なことばかりではなくて・・・ 心を通わせる・・・というか・・・好きに・・・なる・・・・」 「好き・・・?」 「うん。僕を好きになってもらえないだろうか?」 クニはあずみに少し乗りかかるくらいまで近くに詰め寄り、手を握った。
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