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「当たり前だよ。大好きな人と同じ場所の同じ空気が吸えると思っただけで気分が高揚するよ。彼のことがキラキラと輝いて見えた。僕はあの時、間違いなく恋をしていたんだ。」 「コイビトになれましたか?」 「なれなかった。彼には好きな人がいたみたいだ。それもかなり前から。」 「あ・・・・」 「それでも彼は僕に抱かれた。多分、好きな人とうまくいかなくてやけになっていたんだろう。それでも僕はよかった。シャツの下から、新雪のように白く透き通るような肌が現れると、躊躇いもなく触れた。少し冷たくて、なめらかで、柔らかで・・・きゅっと身を縮めるところがかわいくて・・・ 自分では誰とでも平気で寝れる遊び人のようなことを言っていたけど、それは嘘だ。 僕にはすぐわかる。彼の体を舐めるとプルプルと細かく震えて、白い肌が少しづつ高揚し赤らんでいくのを見ているとたまらなく愛おしい・・・」 「・・・・」 クニはあずみにガンガンワインを注がれて、かなり酔っていた。ポロポロと大粒の涙を流しながら遠くを見つめて話をし始めて、思い出という泡の中にすっぽりとはまって、もう別の遠い世界へ行ってしまっているように感じた。 あずみは別にお構いなしだった。 とにかく自分が無事に家に帰れさえすればそれでよかったから、話くらい幾らでも聞く覚悟はできていた。 「エヌはね、細い腰がとてもチャーミングなんだ。僕の両手でつかめてしまうほど細くて・・・でもそれなりに筋肉はついていて・・・ 彼に触れているだけで頭がおかしくなりそうなほど心が振るえて、彼の中に僕の一部が入ったとき、僕はこのまま彼を自分の体の中に押し込んで隠してしまいたいと思った。 彼から漏れる甘い喘ぎを聞くたびに心が燃えて、燃やし尽くしてもまだ火が消えないほど激しく激しく彼を僕の中に押し込んだ。僕はその瞬間、この世のすべて、ありとあらゆる喜びを手に入れたほど絶頂だった。
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