よろしくお願いします

2/3
490人が本棚に入れています
本棚に追加
/89ページ
「なぁ、慧斗。」 「ん?」 「俺、親に・・・。」 「連絡か?」 「おっ、おう。」 「してある。」 「そうか。」 「ありがと。 でも、いつしたんだ?」 「家に着いて、直ぐに。」 「そっかー。」 「因みにその時に、番いの許可も頂いた。」 「そっ、そうか。 ちょっと複雑。」 「だから、そのうち、挨拶に行きたい。 世那の両親に。」 そう言って、慧斗は世那の手を握り締めながら、目を見つめた。 「おっ、おう。 でも、あくまで、友人として、だぞ。」 「なんで?」 「はっ、恥ずかしいから・・・。」 そう言いながら、段々と語尾が小さくなっていくし、赤面の世那を見て、慧斗は頬にキスを落とした。 チュッ その音と慧斗の唇の感触に驚いた世那は、慧斗から逃れようと足掻いた。 それでも、体格差があるからか、全然抜け出すことができなかった。 「だから、逃げるなって。」 そう言って、慧斗は更に強く抱き締めた。 そして、力では勝てないと諦めた世那は、腕の中に大人しく収まってることに決めた。 すると、オモチャを貰った子供のような笑みを浮かべ、世那にスリスリと頬ずりした。 そんなゆったりとした時間を過ごしていると、慧斗のスマホから、音が流れた。 それに、怪訝そうな顔を向け、それを持って、 「少し待ってろ。」 と、一言言って、頭をポンポンと数回軽く撫で、別の部屋に移っていた。 それを、見送りながら、やられ慣れてないからか、 更に、顔が茹でタコのように真っ赤に染まった。 そんな、頬を冷ますように、キッチンに入り、冷蔵庫から、水を拝借して飲んだ。 そして、時計を見ると、7時になる少し前だった。 適当には、急がないとなぁと、考えながら、行く準備をした。 喋ってる間に、シャツなどが、洗濯から乾燥まで、終わっていたのだ。 そんなこんなで、準備を済んだ頃に、慧斗の電話は終わった。 そして、慧斗も準備をし、2人で慧斗のマンションを出た。 2人仲良く、 「「いってきます。」」 世那は若干引いた顔で、慧斗は嬉しそうな顔を見合わせて。 マンションの下には、慧斗の迎えの車が来ていた。 それに、2人で乗り込み、学校に向かった。
/89ページ

最初のコメントを投稿しよう!