頑張ります

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そして、待ちに待った“体育祭”が来た。 流石、男子校。 異常なまでに、盛り上がっている。 世那は裏方なので出れないが、慧斗と純は出る。 慧斗はリレーに、純は騎馬戦に出る。 そして、何故か分からないが、理事長の趣味で、“男祭り”と言う名目の“大乱闘”が最後にある。 ルールは簡単。 ・生徒会を除いた生徒は全員強制参加 ・降参する奴は座る ・全身が地面に着いたら負け ・最後まで立っていた人が勝利 ・勝者はその年の学校の王になる 王と言うのは、生徒会と同等に権限を持ち、発言力も大きい者のことだ。 これを、目当てに来るお客さんも多い。 唯、怪我人は果てし無く多い。 絆創膏を段ボール箱単位で幾つも買ったとしても、それ一回やるだけで、無くなるのだから。 それでも、死人は出た事がない。 ーそんな“体育祭”が、始まった。 そんな中、慧斗と純はシリアスな雰囲気の状態で、話していた。 「いよいよ、今日だな。」 不敵に笑う純。 だが、その目は笑っていない。 「あぁ。」 慧斗はいつもと変わらなかった。 「ちゃんと証拠は、押さえたしな。 楽しみだな。 歪んだ顔を見せてくれるかな? 好きなんだよね。 人が絶望に打ち拉がれている姿を見るの。 だって、可愛くない? 泣いている姿とかそそるよね? 下がる姿とかも!! それを、冷たい目を向けて、無視するの!! 絶対に、楽しい!!」 そう無邪気に言い切った純。 やはり、目は笑っていないが、空気は爛々としている。 慧斗は本当に何も見た目では分からないが、内心はワクワクしていたりした。 この手で葬り去る事が出来るのだ。 ワクワクしないわけ無い。 長く長く世那を苦しめてきた奴を。 そして、徹底的に潰す為、“男祭り”で優勝しなければならない。 この為に、慧斗は純の家に行った。 身体を鍛える為に・・・。 喧嘩で強くなる為に・・・。 世那を守る為に・・・。 慧斗は元々、柔道とボクシングをやっていたのだが、喧嘩で殴り合いをした事がない為、特訓をする為に行ったのだった。 そして、慧斗が1日で、組員達に気に入られたのだった。 何故なら、世話になると言う事で、焼酎とつまみを持って行ったからだ。 しかも、2トントラック分だ。 気に入られないはずがない。 ここ迄して・・・。
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