第一章 嫉妬的行動

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新入社員が入った。名前は結翔(ゆうとと読むらしい)。背が高めの、一般的にガリヒョロと呼ばれる部類だと一目で判る 。 まあ、私からすればタイプとは全然違うのではあるが、友達の美沙子がどうやら相当気に入ったらしい。本人がそう言った訳ではないが、顔を見ればそんなことは誰にだって容易に判るというものだ。 美沙子の努力が実って彼は私達と仲良くなった。週末にはご飯にも行くし、居酒屋でお酒も飲む。 今日は初めてのカラオケ。 美沙子は朝から異常にテンションが高く、喋る声も普段よりキーが高い。 仕事が終わっていよいよカラオケだ。 美沙子の結翔を見る目が一段と熱い。 カラオケ店に入る。そして美沙子が 歌う番になった。美沙子は気合いが入っていた。目を瞑りながらの熱唱だ。 私はその間、結翔の膝の上に座ったり、結翔の腕にしがみついて胸を押し当てたりした。 美沙子の熱唱が次第に小さくなっていく。 これが私の嫉妬のやり方。  
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