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事務所に行く前に骨董屋さんがあります。
お店の前には大きな信楽焼の狸の置物や小便小僧やオウムが入っている鳥かごがありました。
オウムは主人に教え込まれているのでしょうか。
「アソコがうずいているんだろう奥さん」とか「おさねが乾燥しちまうぜヒトヅマさん」とか下世話なことを平気でいい、ちょっと朝から淫靡な気分に入りながら事務所にいくのでした。
骨董屋さんって何をやっているところなのと興味がでてきました。
わたしは事務所がおわったあと、子どもを預けている姉に嘘をつき、
「仕事がいそがしいから少しおくれるわ」といいました。
そこの骨董屋さんに入ると春画が沢山かざってありました。
目にとまったのはタコの化け物が女性に手足を巻き付け吸盤で吸っている絵でした。
他にも巨大な逸物を女性の局部にいれている絵など、これがウタマロかしらと感心してみていました。
お店の奥に行くと、黄金のコブラの置物、黄金獅子の置物、黄金の仏像がありました。
スイッチをいれると、どれもクネクネと激しく動くじゃないですか。
わたし、あまり物欲とかないんですけど。
どうしてもこの三体が欲しくなりました。
丸い帽子を被り、頑固そうな初老のご主人に聞くと三体で十万円だといいます。
「わしは、いっさい値段の交渉はしないぞ」と気難しく答えました。
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