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何もかもが嫌になりました。
すべてが無気力になり、呆けた状態で家にいるのを姉やダンナが心配しました。
東京新宿区戸山にある731病院の心療内科にダンナと一緒にいきました。
豚田源人医師は、「厳かに、これは欲求不満性心身症です」
「ただちに、入院です」といわれ、独房に入ることになりました。
「現世からの欲望を断つことです」
尼のような恰好をさせられ、食事は白湯と簡素な菜っ葉だけというものになりました、
数日後、「解脱したようですから」
「面会可」となり、ダンナと子供が会いに来てくれました。
新次郎は、「この人、誰」
「僕のママを返せよ」といったそうです。
ダンナも驚くと同時に「俺がこいつのためになんとかしなくちゃ」
と殊勝な決意をしたようです。
もとのわたしにもどるには、剃髪した頭の髪がもとにもどるくらいゆっくりと時間を費やしました。
あれから、もう二年弱経過して、子供の小学校の入学式には参加しました。
以前、勤務していた福祉事務所から「ゆっくりでいいから働かない」
連絡がきました。
わたしも社会復帰をかねて神楽坂にあるあの事務所にいきました。
「あの骨董屋さん」
「どうなったのかしら」
「あの骨董屋はありました」
店先にはあのスケベオウムがいて何かをいおうとしました。
オウムでも人心を読めるのでしょうか。
黙っていました。
初仕事の帰りにあの骨董屋にいきました。
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