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男
誰かの声が聞こえてきて、意識が浮上してきた。
・・・ん?人!?
慌てて飛び起きた。
「お。起きたのか」
「・・・だ、誰?」
目を開いて最初に見たものは、黒髪をオールバックにしたあごひげのイケオジ。つまりおっさん。
目も黒でなんか背中から黒い翼が生えている。
・・・人間じゃ、ないよな。
「人に名前を聞く前に自分から名乗るのが礼儀だろ」
「ぁ・・・すいません。
俺は時雨沢琴です。あなたは・・・?」
「俺はトオル・セルバンテウスだ。
しかし、何でお前さん砂漠のど真ん中で寝ていたんだ?
魔物に喰われたらどうするんだよ。死にたがりか?」
「ま、魔物!?」
何だ、魔物って。
もういろいろ有りすぎて頭が混乱している。
地球の崩壊に月が2つに魔物だ。
もうファンタジーすぎて何が何だか・・・
「何だ、魔物も知らないのか?まさか異世界人・・・とか?」
「・・・そのまさかだと思います・・・」
「マジ!?という事は、お前さんの種族は、人間か!?」
「ええ、そうだと思うんですけど・・・
それが何か問題が?」
「大有りだ。人族と俺等魔族は、二十年前から仲が悪くてな・・・
丁度三年前に戦争が始まったんだ」
せん、そう・・・
嘘だろ・・・どうするんだ、俺・・・
「異世界人なら勇者か?魔法陣でこの世界に来たのか?」
魔法陣?そんなものは見ていないからきっと違うだろう。
「違うと思います。俺、そんなものは見ていませんし・・・
それに、元居た世界が壊れた拍子にこの世界に来たと思うので・・・」
「それなら良かった。
勇者だった場合今ここでお前さんを殺さないといけない所だったからな」
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