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何処だ此処・・・
世界を突如として襲った悲劇。
たった一日で地球は崩壊した、筈だった。
気付けば知らない場所に立っていた俺『時雨沢 琴(しぐさわ こと)』。
周りを見渡しても誰も居ない。
そして、『何も』ない。
だが一つだけ解った事がある。
ここが俺達の居た地球ではないという事だ。
確かにあの時地球は崩れた。
全世界の火山や海底火山が噴火し、地震が起き、津波が人類を襲った。
だが今俺が立っている場所は、そんな事が起こった様には見えない。
『灰色の世界』が一番当てはまる言葉だろう。
ただただ灰色の砂状の物が地面にあり、それが永遠に続いているみたいだ。
一番の決め手は、月と思われる物が二つ、空に見える事。
夢・・・じゃないよな。
試しに頬をつねってみるが、やはり痛かった。
これからどうしようか。
死んだなら諦めがつくが、生きていると知ってしまったら何がなんでも生きたい。
・・・取り敢えず歩くか。
何処に何があるなんて分からないけれど、とにかく先ずは俺以外の人間を探す事にする。
見つかる気はしないけどな。
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