おまけ的な最終章です(多分)

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レオ君の甘々攻撃に心の中で身悶えしつつ、平静を装って今にも繋がってしまいそうなレオ君の凛々しい眉毛と意思の強そうな三白眼を眺めていたら、つい先ほどやってきた男女が早速、店員のおばちゃんを呼び止めている。 きっと常連さんに違いない。 「エビフライ定食とアジフライ定食お願いします」 目が前髪で隠れそう感じのメガネ男子がおばちゃんに注文している姿を横目で眺めつつ、この人たちはゆで卵を食べないのかなぁ……と思ったら 「今日はタマゴは大丈夫?」 と、おばちゃんの方からゆで卵を勧めている! タマゴを勧める大衆食堂! 明日、ベスちゃんに会ったら、タマゴは必須なのかどうなのか聞きたいなと思った。 「今日は外食だから1駅手前で降りてちょっと長く歩かないとな、健康のために」 と呟く眼鏡男子に 「公園の暗がりに連れ込んでおかしなことをしようとしないでくださいね」 と呟く女性……。 カップルだったんだ……。 そして、公園の暗がりに連れ込んでおかしなことをするって、いったいどんなことをしようとしたんだろう……。 「ちぃちゃんっ!」 しまった、周りの人たちが気になって、レオ君の話をまたしても聞いていなかったみたいだ。 ヘラっと誤魔化し笑いをしてみたらレオ君に、軽く睨まれて迫力ある顔だなぁと思った。 「また人の話を聞いてなかっただろ。そんなバカっぽいところも可愛くて食べたくなるからいいけど」 ……ケモチンフィルターおそろしや。 「食べないで欲しいかなぁ……」 一応の抵抗をしてみたら 「じゃぁ、食べるのはやめるけど、舐めてしゃぶり尽くす」 エロい微笑みを浮かべて、漢らしく宣言されて顔に血液が集まったのを感じた。 ついでに、体の中心がカッと熱くなった気がした。 私が男だったら、今の一言とレオ君のエロい顔で完勃ちスラックス間違いなしだ。 が、我々の後からやってきたタマゴ5個のカップルの男性の方が、ブハッと吹いた音で我に返った。 人の話を盗み聞きしすぎだよ、課長とかって人! もしかして、人事部とかの人!? 会社内の噂話とか、全部掌握済みだったりして。 そうか、連れの女性も人事部!? 日夜、飲食店で人の話を盗み聞きする訓練をして、毎日実践で生かしていると!? トイレの中で盗み聞きとかしてそう! 怖い怖い!
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