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レオ君の大きな手に包まれるように手を繋いで地下街を歩くというだけで、なんだか嬉しくてニヤついてしまう。
隣を歩くレオ君の顔も当社比上機嫌モードだけれども、どうやら通行人にはそう見えていないようで、半ば強制的に拉致されているようにでも見えているのか、我々から目を逸らしている人が多い。
地下街から階段を登って、名古屋駅のコンコースにあがる。
「車、あっちに停めてあるから」
いつもの調子で赤電車さんのホームがある方へと足を向けそうになったら、繋いだ手をレオ君に引っ張られた。
そして、レオ君の方を振り向いて驚いた。
「わぉっ☆」
「ん? なに?」
「あっ、いや、なんでもないよ」
レオ君よりも大きな人がいたって、不思議ではないだろう。
でも、レオ君よりも大きな人を見ることなんてほとんどないから、驚いたのだ。
しかも、レオ君よりもかなり大きな人だったのだから。
さらに言うならば、天は二物を与えてしまったみたいなイケメン☆
隣を歩く恋人さん? かなりの美人さんだった。
さらに言うならば、二人とも楽しくて楽しく仕方がないというようなハイテンションバカッポー。
イケメンが美人さんの耳元でナニかを囁き、それを聞いた美人さんがクスクス笑っていた。
思わず見とれる憧れる。
「……」
私の視線の先を追ったらしいレオ君が黙る。
「あっ、ほら、レオ君よりも大きな人って珍しいからつい……見ちゃった」
ゆっくり歩きだしたレオ君に話しかけたら、レオ君が私の耳元に顔を寄せてきた。
これ、さっきのハイテンションバカッポーと同じ!!!
「アソコの大きさはオレのがデカい」
「……」
ここはさっきの美人さんみたいにクスクス笑う場面だろうか。
いや、違う。
きっと違う。
「アソコって?」
何食わぬ顔で聞き返して、自分の変態具合を自覚してもらおうと思ったら
「マラ」
アババババババババババババッ!!!
「人気のない場所、調べてあるから車で試そう。ちゃんと色々用意してあるから大丈夫」
上機嫌のレオ君に漬けるクスリはない。
それに、私も変態だ。
「楽しみだね、車でって初めて☆」
レオ君を煽ってみたら、レオ君が嬉しそうにニヤニヤ笑った。
きっと他人には凶悪な顔に見えているような、そんな笑顔で。
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